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蕎麦話~出来ますのは「花巻」と「しっぽく」

落語「時そば」で蕎麦屋が語る『出来ますのは「花巻」と「しっぽく」』

このメニューですが、「花巻」はちぎった焼き海苔を散らした蕎麦で、浅草海苔が「磯の花」と呼ばれていたのを花に見立てて「花撒き」、それが「花巻」に転じた江戸っ子らしいネーミングのようです。諸説ありですが。

和久(千葉県香取市) 花巻そば
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ゆで太郎千葉中央店(千葉県千葉市中央区) 花巻蕎麦


1枚目の蕎麦がややオリジナルに近いのでしょうかね。
2枚目は海苔はセルフで、ちぎっていない海苔ですね。そしてもり蕎麦スタイルです。
もともとネギは使わず、海苔と山葵で香りを楽しむ温蕎麦だそうですが、お店によっていろいろです。



そしてもうひとつの「しっぽく」
こちらは長崎の郷土料理『卓袱料理』から来たもののようです。
『卓袱料理』は和・洋(オランダ)・中(清)の折衷料理で、その中にうどんや素麺の上に魚介類や野菜を乗せたもの(ちゃんぽんみたいな料理)があり、それが関西に伝わり「しっぽくうどん」になり、やがて江戸に伝わり、うどんが蕎麦に替わり「しっぽくそば」として人気を博したようです。

ところが、「花巻」も「しっぽく」も現代ではあまり見かけないメニューです。
「花巻」は私も何度かいただいたことがありましたが、「しっぽく」は先月にいただくまで一度もお目にかかった事がありませんでした。
メニューに載せているお店が極めて少ない、落語で話には聞いたことはあっても、見た事食べた事が無い方も多いのではないのでしょうか。
それが「しっぽく」ですね。

私がいただいた「しっぽく」
このお店のメニューでは(関西風味)の別枠で、うどんも選べます。
志まむらメニュー01

志まむら平井丘店(茨城県鹿嶋市) 志っぽく
蕎麦2020-07-01

御覧の通り実際に見ただけでわかる汁の色、味も出汁の効いたまさに関西風味でした。
うどんの方が合うのかも?

でも「時そば」に出てくる蕎麦は関東風の蕎麦なのでしょうね。
別なお店にあれば食べ比べてみたいです。

しかし・・・「時そば」は基は上方落語の「時うどん」だそうですから、実際にはこのような「関西風」が本流なのか・・・わかりません(^^;



「しっぽく」から約100年後の幕末の頃「おかめそば」が登場します。
同じ具沢山の蕎麦、そして具材を使って「おかめ」の顔に見立てる粋、人気を博したそうですが、その反面「しっぽく」は江戸っ子の飽きっぽもあって駆逐されてしまったのでしょうか。
もっとも「おかめそば」も現代ではあまり見かけなくなってしまったメニューです。
そして、私は「おかめ」の顔に出会った事がまだありません。

春木屋(千葉県千葉市稲毛区) おかめそば
soba12-06.jpg

永坂更科布屋太兵衛 千葉そごう店(千葉県千葉市) おかめそば






そして「しっぽく」でも「おかめ」でもない具だくさんの蕎麦「五目蕎麦」も今では少数派です。
中には中華そばの「五目そば」と区別をするためか「日本五目蕎麦(そば)」と名乗っているお店もありますね。

桝屋そば店(茨城県神栖市) 日本五目そば
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手打ちそばうどんの店 加賀(千葉県香取市) 五目そば


現代の蕎麦はあれもこれもというよりも具材を絞って、蕎麦と具材の味や風味を楽しむ時代なのでしょうか。


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Last Modified : 2020-08-02

No Subject * by 将門新皇
なるほど勉強になります(^^)
僕が埼玉で食べたしっぽくうどんは根菜と豚バラがたっぷりのったけんちんと豚汁の中間のようなものでした
おかめにきつねたぬきもそうですが当時の日本人は洒落とか語呂合わせが好きだったようですね
そのものズバリじゃなくなんとなくイメージさせる、粋の要素がふんだんにあったように思えます。
そんなこと考えるだけで楽しいです(笑)

Re: 将門新皇さん * by やませみ
聞きかじりの知識と思っていたことを「しっぽく」を食べたのを機会にまとめてみました(^^)
オリジナルはオリジナルとして、時の流れと地域性もあって同じ名前でも変わって行ったり消えてしまったりしたのでしょうね。
また、現代のラーメンのようにお店・店主の工夫もあるでしょうし。

江戸時代のお店の看板がそうですよね。
判じ物と言うのかな?言葉の言いかえや言葉を絵で表したりと工夫されてますよね。
あ、時そばに出てくる屋台の屋号もそうでしたね。

ちょっとしたことから、時代背景やその時代の粋や教養が垣間見える。
日々の生活の中に楽しいことたくさんありますね(^^)

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No Subject

なるほど勉強になります(^^)
僕が埼玉で食べたしっぽくうどんは根菜と豚バラがたっぷりのったけんちんと豚汁の中間のようなものでした
おかめにきつねたぬきもそうですが当時の日本人は洒落とか語呂合わせが好きだったようですね
そのものズバリじゃなくなんとなくイメージさせる、粋の要素がふんだんにあったように思えます。
そんなこと考えるだけで楽しいです(笑)
2020-08-02-07:15 * 将門新皇 [ 編集 * 投稿 ]

やませみ Re: 将門新皇さん

聞きかじりの知識と思っていたことを「しっぽく」を食べたのを機会にまとめてみました(^^)
オリジナルはオリジナルとして、時の流れと地域性もあって同じ名前でも変わって行ったり消えてしまったりしたのでしょうね。
また、現代のラーメンのようにお店・店主の工夫もあるでしょうし。

江戸時代のお店の看板がそうですよね。
判じ物と言うのかな?言葉の言いかえや言葉を絵で表したりと工夫されてますよね。
あ、時そばに出てくる屋台の屋号もそうでしたね。

ちょっとしたことから、時代背景やその時代の粋や教養が垣間見える。
日々の生活の中に楽しいことたくさんありますね(^^)
2020-08-02-08:28 * やませみ [ 編集 * 投稿 ]